毎日の通勤や休日のドライブ、その「移動」が無駄になっていると感じていませんか?実は、その移動距離や歩数がお金やマイルに変わる「移動ポイ活」が、陸マイラーの間で新たな常識となりつつあります。
「たかが移動で貯まるポイントなんて微々たるものだろう」そう思うかもしれません。しかし、適切なアプリを選び、戦略的に活用することで、移動は無視できないマイル獲得源に変わります。この記事では、数ある移動ポイ活アプリの中から陸マイラーにとって本当に価値のあるものはどれか、そして貯めたポイントをいかに効率的にANAやJALのマイルに交換するか、その具体的な手順と応用戦略を徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたの毎日の移動が「次のハワイ旅行の特典航空券」に一歩近づく、具体的な道筋が見えているはずです。
なぜ「移動」でマイルが貯まるのか?移動ポイ活の仕組み
そもそも、なぜ私たちは移動するだけでポイントがもらえるのでしょうか。その背景には、アプリ運営会社のビジネスモデルがあります。
移動ポイ活アプリは、ユーザーの位置情報や移動データを(個人が特定されない形で)企業の商品開発やマーケティング、都市計画などに活用しています。また、多くのアプリは広告収益を主な収益源としており、ユーザーが広告動画を視聴することなどでポイントを付与する原資が生まれます。
私たち陸マイラーにとって、これは「日常の移動」という今まで価値を生んでこなかった行動を「マイル」という資産に変える絶好の機会です。クレジットカード決済やポイントサイトでの案件利用といった従来の柱に、この「移動ポイ活」という新たな柱を加えることで、マイル獲得のスピードは格段に向上するのです。
【2025年最新】陸マイラー向け移動ポイ活アプリ徹底比較
数多くの移動ポイ活アプリが存在しますが、陸マイラーが注目すべきは「マイルへの交換しやすさ」と「ポイントの貯めやすさ」です。ここでは主要な4つのアプリを比較し、それぞれの特徴を解説します。
アプリ名 | ポイントの貯め方 | マイルへの交換ルート | メリット | デメリット/注意点 | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|---|
ANA Pocket | 歩数、移動距離、移動手段(電車、車、自転車など) | ANAマイル/ANA SKYコインに直接交換可能 | ANAマイルに直接交換できる唯一無二の存在。移動チャレンジで楽しく貯められる。 | 有料プラン(月額550円)でないとマイル交換レートが低い。 | ANAマイルを最優先で貯めたい人 |
トリマ | 歩数、移動距離(車・電車など) | 間接(ドットマネー経由でTポイント、Pontaポイントなどに交換) | ポイントが非常に貯まりやすい。移動距離の上限がないに等しい。 | マイルへの交換ルートがやや複雑。動画視聴の回数が多くなりがち。 | ポイントの貯めやすさを重視し、交換の手間を惜しまない人 |
JAL Wellness & Travel | 歩数 | JALマイルに直接交換可能 | 歩くだけでJALマイルが直接貯まるシンプルさ。 | JALマイレージバンク会員限定。月額料金(550円)がかかる。 | JALマイルを貯めているウォーキング好きの人 |
Miles | あらゆる移動手段(徒歩、電車、車、飛行機など) | 間接(特典やギフトカードに交換) | 全ての移動が自動で記録され、手間いらず。特に長距離移動で貯まりやすい。 | マイルへの直接交換ルートがない。交換できる特典に魅力が少ない場合も。 | とにかく手間をかけずに移動を記録したい人、長距離移動が多い人 |
【ANAマイラー向け】ANA Pocketは本当に”使える”のか?
ANAマイラーにとって最も注目すべきアプリが「ANA Pocket」です。最大の魅力は、貯めたポイントをANAマイルに直接交換できる点にあります。
ANA Pocketには3つの会員プランがあります。
- Pocket Lite(無料): アプリ内通貨「マイル」を貯めて特典交換。マイル交換は不可。
- Pocket(無料): アプリ内ポイントを貯めて特典交換。マイル交換は不可。
- Pocket Pro(月額550円): アプリ内ポイントを貯め、ANAマイルやSKYコインに交換可能。
結論から言うと、本気でマイルを貯めるなら月額550円の「Pocket Pro」一択です。無料プランではマイルに交換できないため、陸マイラーにとっては意味がありません。
▼ANA Pocket Proのポイント交換レート
- 1,000ポイント → 700 ANA SKYコイン
- 7,000ポイント → 1,400 ANAマイル
- 10,000ポイント → 2,000 ANAマイル
交換レートは1ポイント=約0.2マイルと、決して高くはありません。しかし、他のアプリのように複雑な交換ルートを経由せず、直接ANAマイルに交換できる手軽さは大きなアドバンテージです。
月額550円の元は取れるのか?
これはあなたの移動距離によります。通勤や出張で毎日電車や車に乗る方であれば、月額料金以上の価値を生み出すことは十分に可能です。特に、移動手段に応じてポイントが加算されるため、多様な移動をする人ほど有利です。まずは無料プランで1ヶ月試し、どのくらいポイントが貯まるかシミュレーションしてからProプランに移行するのが賢明でしょう。
【汎用性重視派】トリマで貯めたポイントをマイル化する最適ルート
「とにかくポイントをザクザク貯めたい」「ANAもJALも両方視野に入れている」という方には「トリマ」が最適です。動画視聴などの手間はかかりますが、その分ポイントの貯まりやすさは群を抜いています。
トリマのポイントは直接マイルにはなりませんが、ポイント交換サイト「ドットマネー」を経由することで、高効率でマイルに交換できます。
▼トリマ → ANAマイルへの王道交換ルート(みずほルート/JQセゾンルート)
- トリマでポイントを貯める
- ドットマネーに交換 (120,000マイル → 1,000マネー)
- ドットマネー → Tポイントに交換 (1,000マネー → 1,000ポイント)
- Tポイント → JRキューポに交換 (1,000ポイント → 1,000ポイント)
- ※JQ CARDセゾン、またはJQ CARDエポスが必要
- JRキューポ → ANAマイルに交換 (1,000ポイント → 700マイル)
- ※みずほマイレージクラブANAカードが必要
このルートを使えば、70%という高レートでANAマイルに交換可能です。一見複雑に見えますが、一度ルートを開通させてしまえば、あとは機械的に交換作業を行うだけです。
▼トリマ → JALマイルへの交換ルート
- トリマでポイントを貯める
- ドットマネーに交換
- ドットマネー → Tポイントに交換
- Tポイント → JALマイルに交換 (1,000ポイント → 500マイル)
こちらは50%の交換レートになります。シンプルですが、ANAマイルへの交換に比べるとレートは落ちます。
トリマの強みは、この「交換ルートの選択肢があること」です。あなたのメインカードや貯めているマイルに合わせて、最適なルートを選べる柔軟性が魅力と言えるでしょう。
移動ポイ活の効果を最大化する!陸マイラーの応用戦略
移動ポイ活は、単体で利用するよりも他のマイル獲得施策と組み合わせることで、その真価を発揮します。
戦略1:クレジットカード決済との連携
これは陸マイラーの基本中の基本です。移動ポイ活アプリで移動中のポイントを稼ぎつつ、移動先でのランチ、カフェ、買い物などの支払いは、もちろんマイル高還元率のクレジットカードで決済します。
- 電車移動: モバイルSuicaやPASMOへのチャージを「ビューカード」(JRE POINTが貯まる)やANAカード/JALカードで行う。
- 車移動: ガソリンスタンドでの給油は、ENEOSカード(Tポイント経由でマイル化)や、特約店になっているカードを利用する。
- 目的地での決済: ランチや買い物は、ANAカードやJALカード、あるいはMarriott Bonvoy アメックス・プレミアム・カードのような高還元率カードで支払う。
これにより、「移動によるポイント獲得」と「決済によるマイル獲得」の二重取りが完成します。
戦略2:ポイントサイトとの合わせ技
電車での移動中や、カフェで休憩している時間。あなたはその時間をどう使っていますか?スマホでSNSを眺めるのも良いですが、その時間を「マイル生成時間」に変えることができます。
移動中に「ハピタス」や「モッピー」といったポイントサイトを開き、簡単なアンケートに回答したり、アプリのダウンロード案件をこなしたりするのです。一つ一つの報酬は小さくても、通勤の往復で毎日続ければ、1ヶ月後には数千円相当のポイント、つまり数千マイルに繋がる原資になります。
「移動時間=マイルを稼ぐ時間」という意識を持つことが、他の陸マイラーと差をつける重要なポイントです。
戦略3:出張や旅行での爆発的活用法
新幹線や飛行機を利用する出張や旅行は、移動ポイ活にとって最大のボーナスステージです。
- トリマ: 移動距離に応じてポイントが貯まるため、東京-大阪間の移動などでは一気に数千ポイントを獲得できます。
- Miles: 飛行機での移動はボーナス倍率が高く設定されており、こちらも大量マイル(アプリ内通貨)獲得のチャンスです。
もちろん、出張で発生する交通費や宿泊費の支払いは、あなたのクレジットカードで立て替え払いしましょう。経費は会社から戻ってきても、カード決済で得られたマイルは全てあなたのものです。公的な移動でさえも、マイル獲得の機会に変える。これが賢い陸マイラーの戦略です。
知っておきたい移動ポイ活の注意点
非常に魅力的な移動ポイ活ですが、始める前に知っておくべき注意点もあります。
- バッテリーの消費: 位置情報を常にONにするため、スマートフォンのバッテリー消費は通常より激しくなります。モバイルバッテリーを携帯すると安心です。
- 動画視聴の手間: 特にトリマは、ポイント獲得効率を上げるために動画広告の視聴が欠かせません。これを「手間」と感じるか「マイルのための作業」と捉えられるかで評価が分かれます。
- あくまで補助的な手段: 移動ポイ活だけで、特典航空券に必要な数万マイルを貯めるのは現実的ではありません。あくまでクレジットカード決済やポイントサイト案件と並行して行う、マイル獲得を加速させるためのブースターと位置づけるのが正解です。
まとめ:移動をマイルに変え、次の旅を始める準備をしよう
これまで無意識に行っていた「移動」という行為が、少しの工夫で無料航空券に繋がる資産になる。それが移動ポイ活の魅力です。
- ANAマイラーなら、月額550円を投資してでも「ANA Pocket」でマイルの直通ルートを確保するのが最も効率的。
- ポイントの貯めやすさと汎用性を重視するなら「トリマ」を選び、少し手間をかけて高レートの交換ルートを開通させるのが王道。
- そして何より重要なのは、移動ポイ活をクレジットカード決済や他のポイ活と組み合わせ、相乗効果を生み出すこと。
この記事を読んだ今日が、あなたの陸マイラー活動の新たなスタートラインです。まずはあなたのライフスタイルに合いそうなアプリを1つ、スマートフォンにダウンロードしてみてください。そして、明日の通勤から、あなたの移動をマイルに変える新しい習慣を始めてみましょう。
その一歩一歩の積み重ねが、あなたを憧れのビジネスクラスへ、そして夢のハワイ旅行へと導いてくれるはずです。
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